１．経済効果とは
経済効果とは、ある現象や行動、出来事が経済に何かしらの好影響をもたらすことの総称です。産業感の波及効果や二次的・三次的効果が含まれることを強調するために経済波及効果と呼ばれることもあります。反対に悪い影響に対しては経済損失という言葉が用いられます。この経済効果は、減少や行動、出来事から当たらに創出されうる需要を予測することで、ある程度の金額を予想して事前に算出することもでき、経済政策などでは予想される経済効果の大きくなるものが採用されます。 経済効果には主に3つの効果があると言われています。一つは、ある現象や行動、出来事の結果、飲食業や販売業等が潤う直接効果です。二つ目は、飲食業や販売業に食材や商品を卸している企業等の他産業への一次波及効果です。そして三つ目は、直接効果や一時波及効果によって増えた分の所得が消費を促すことによって起こる二次波及効果です。経済効果はこうした経済の循環の中でお金の流れが滞ることを防ぎ、増加させる効果があるのです。
２．経済効果の例
経済効果の具体例をいくつか見ていきましょう。 例えば、超有名シンガーソングライターがその地域の大きめのドームでライブをすることが決まった場合、当日は地元だけでなく他地域の遠征組の人たちも流れ込んできます。当然人が増えると、そこで買い物をする人や飲食をする人、ホテルで宿泊する人、交通機関や車を利用する人が増えるため、当日は周辺地域の飲食店やスーパー、ホテルや旅館、地下鉄やバスの運営会社、ガソリンスタンド等が直接効果を受けて潤います。ライブが終われば、それらのお店では、翌日以降の食材や商品、ガソリン等が不足するため、それを補うために普段以上に卸売業者から仕入れをすることで一次波及効果が生まれます。そしてライブによって一時的に儲かり所得が増えた人々の消費活動が増えることで二次波及効果が広がっていきます。 見方を変えれば、春に花粉症の発症者が増えるのも経済効果をもたらす現象といえます。 スギ花粉などで鼻水、鼻詰まり、目の痛みを訴える人が薬局で薬を買ったり、病院に通うことで薬局や病院にはお金が入ってきます。そして販売する薬のストックが少なくなれば卸業者や製薬会社から新しい薬を仕入れることになります。時期的に毎年かなりの数の人が花粉症を発症しているのですから、薬局や病院、製薬会社の人々の懐が潤うことで経済が循環しているといえるのです。 ここまで大規模ではなくても経済効果のある行動は私達の日常にたくさんあります。例えば、毎日お風呂に入ることも経済効果を発生させている行動です。お風呂に入ることで私たちは水を使い、それを温めるためにガスや電気を使います。そうすると水道代や電気代、ガス代が発生し、その支払いを通して水道会社や電力会社、ガス会社は潤います。後は、その会社の職員が受け取った所得を消費行動に回すことでお金が循環しているのです。 このように何気ない日常の中に存在するものにどのような経済効果があるのかを考えてみるとかなり面白いことがわかりますね。
３．経済効果を発生させるには？
ここまでの説明を通して、経済効果には、お金を循環させることで私達の所得が増加し、消費に回すことが出来るようになるという効果があることがわかっていただけたと思います。自然発生している経済効果もたくさんありますが、これらの経済効果を能動的に発生させ、経済の好循環を作り出すにはどうすればよいでしょうか？ 能動的に出来るものとして有力なのが、私達が毎日おこなっている労働です。ものづくりをしている人であれば、ヒット商品を作り出すことで自社や自分の給料を上げることができ、消費を増やすことができます。これと同じように、営業をしている人であれば新規顧客を増やすこと、清掃業をしている人ならピカピカに掃除してそこに人が来やすい環境づくりをするといったことで実現できます。普段よりも少し頑張るだけでも大なり小なり何かしらの効果があるものです。 そして、政治家の選挙がある時期は、必ず投票に行くようにしましょう。優秀な経済政策を取れる政治家を当選させれば、お金の循環が良くなり生活の質も向上します。逆に投票しなければ、経済損失ばかり生む駄目な政治家ばかりになって地域や国が破綻していきます。他人任せにしたり、無関心を貫いてばかりで政治活動に参加しないのは、どんなに経済に良い行動をあなたがしていてもすべて水の泡にしてしまいかねません。 自分が前に出て行動できるのであれば、いっそのこと自分が政治家になるのも一つの手です。周りを変えることは難しいですが、自分が変わり行動をしていくことが最も簡単ですぐ実行できます。選挙に破れたり、他議員の反対にあって経済政策ができないこともあるでしょう。もしそうなっても、チャンスはまたある訳ですし、その政策を誰かがブラッシュアップして引き継いでくれるかもしれません。 いずれにしても、私達一人一人が自分にできることを考えて行動していくことが一番の経済政策になることは間違いありません。
