Jリーグでプロサッカーチームが活動することで、どのような経済効果がもたらされているかが気になっている方もいるでしょう。Jリーグはプロスポーツリーグとして日本で非常に有名です。J1、J2などといった階層構造が作られていて、ジュニアチームによる活動もおこなわれています。このような広い視点で見たときにJリーグが生み出している経済効果がどの程度なのかを詳しく見ていきましょう。
#Jリーグの経済効果とは
Jリーグの経済効果は大きく分けると2つに分類できます。それぞれについてまずは概要を確認しておきましょう。
・チケットの売上などによる直接効果
Jリーグの活動によって発生している経済効果が直接効果です。Jリーグが試合をする際にはチケットを販売するので売上の発生に伴って経済が動きます。試合を開催したときにはJリーグのチームがオリジナルグッズを販売していて、当日には大きな売上があります。スタジアムに消費者が訪れるために必要になった交通費、当日のゲームを楽しむために消費した食べ物や飲み物の購入費なども含まれます。このような直接的な活動によってもたらされている経済効果が全体の3分の2ほどを占めているのが近年の状況です。
・Jリーグの活動による波及効果
Jリーグの活動そのものによる経済効果ではなく、結果として生み出された経済効果が波及効果です。例えば、Jリーグの試合に使用されたボールやユニフォームの製造に関わっている生産者にも経済効果があります。遠方からスタジアムを訪れた人は周辺観光をして施設を利用したり、お土産を購入したりすることもあるでしょう。このような1次波及効果に加えて、2次波及効果もあります。Jリーグの活動によって売上が伸びたら給料を増やせるでしょう。その給料で商品やサービスを購入するとまったく関係のない分野の消費まで増えます。このような広い範囲の波及効果まで考えると、およそJリーグによる経済効果の3分の1に上ると言われています。
#Jリーグの経済効果の波及先
Jリーグの経済効果は波及先がどのくらい広いのでしょうか。ここではJリーグの活動に伴って大きな恩恵を受けている経済効果の波及先の例を紹介します。
・スポンサー企業
Jリーグの各チームのスポンサー企業はJリーグの活動によって大きな影響を受けます。企業のブランディングにチームイメージを活用できるだけでなく、地域貢献やCSR活動として認められるため、企業としての価値も信頼性も高まるのがメリットです。福利厚生として社員にJリーグの選手とのつながりを作る機会を設けていることもあります。また、スポンサー同士の協力によるチームへの貢献を検討することで新しいビジネスチャンスが生まれるケースもあります。
・スポーツ関連企業
スポーツ関連企業はJリーグの活動によって大きな経済効果が生まれます。ユニフォームやシューズなどの必須アイテムの契約ができれば大きな売上増加につながるからです。また、Jリーグの活動によってサッカーの人気が伸びれば、Jリーグのチームとは関係ないサッカーグッズも売れ行きが良くなります。
・ホームタウンの地域の企業
Jリーグの活動によって地域の企業にも波及効果があります。地元チームの有名選手に商品モニターや広告モデルになってもらうと大きなプロモーションになります。店舗経営をしている場合にはJリーグの試合が開催される度に、サポーターなどが立ち寄ってくれて売上が伸びるでしょう。また、地域新聞などのマスコミでもJリーグのチーム活動を題材にした記事を作成しやすく、地域住民から喜ばれるメディア運営ができるメリットがあります。
・ホームタウンの地方公共団体
地方公共団体にとってもJリーグのチームのホームタウンになると経済効果があります。市区町村の知名度の向上につながるだけでなく、積極的なプロモーション活動によって住民からの支持を得ることも可能です。スタジアムを所有することで地元経済を潤わせれば税収も増やせる魅力があります。
・ホームタウンの住民
ホームタウンの住民にも経済効果があります。Jリーグのチームではジュニアの育成をしたり、地域コミュニティからの依頼を受けてボランティア活動をしたりしています。サッカーを通して地域活動を活発化し、地域の改善やチーム支援のための経済活動を推進する原動力を生み出しています。住民にとっては試合などに乗じて独自のイベントを開催できるメリットもあります。
#まとめ
Jリーグによる経済活動は直接効果も大きいですが、広い視野で見たときには波及効果が広いのが特徴です。Jリーグのチームがホームタウンにしている地域では企業だけでなく地方公共団体も住民も恩恵を受けています。Jリーグの経済効果は波及効果も含めると1チームあたり20億円以上になるという集計結果もあります*。チームの知名度や活動しているリーグのランクによる違いもありますが、Jリーグの活動が日本の経済を活発化させているのは事実です。 *https://www.pref.miyagi.jp/documents/5878/601075.pdf