論文で経済効果について述べたいと思うなら、一体何を準備しておけば良いのでしょうか。一体どのようなことを計画しておけば、経済効果について論文で述べることができるのでしょうか。ここでは、論文で経済効果について検討するときに必要なことを紹介していきます。
1.対象を明確にする
経済効果について考える場合、何の経済効果について調べたいのか、明確にしておく必要があります。例えば、スポーツの経済効果について知りたいのであれば野球の経済効果が知りたいのか、サッカーの経済効果が知りたいのか、種目によっても異なるので、きちんと分けて考える必要があります。スポーツの経済効果でも良いですが、それでは把握できていないスポーツがあるリスクも出てきますし、お年寄りのゲートボールは入るのか、子供たちのスポーツ少年団の経済効果はどうなのか、など、ざっくりしすぎてしまうリスクが高いです。
例えば、スポーツの経済効果について調べるのであれば、野球なのかサッカーなのか、駅伝なのか、プロ野球なのかアマチュアの野球も含むのか、プロ野球ならばセ・リーグなのかパ・リーグなのか、どのチームを選ぶのか、どの選手を選ぶのか、そこまで考えておいた方が良いでしょう。経済効果を知りたいのであれば、対象をより具体的にした方が明確な答えが得られます。
2.比較対象を決める
同時に、比較対象を決めることも大切です。何かの経済効果を明確にしようと思っても、それだけの経済効果を見たところで、これが高いのか低いのかよくわからないこともあります。問えば、東宝の売り上げは、今まで、宮崎駿監督の「千と千尋の神隠し」が歴代1位でした。しかし2020年にヒットした「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」はその上を行ったと言われています。ここからでも、「鬼滅の刃」の経済効果がどれだけ大きかったかわかります。
このように、経済効果を調べるときには何かと比較するとわかりやすくなります。この映画のおかげで、東宝の興行収入は前年同月比で1063%を記録したと言われていますが、今までの売り上げ等との比較をしても良いでしょう。
また、比較対象を決めるときには同じ分野のものにすることが大切です。例えば、サッカーとアニメを比較しても意味はありません。サッカーと野球を比較するならば同じスポーツとして問題はありませんが、サッカーと「鬼滅の刃」を比較してもうまく比較はできませんので、気をつけましょう。
3.コラボ商品などをチェックする
何がどの程度の経済効果を生み出したか調べるためには、コラボ商品などをチェックしておく必要があります。ただ単にその分野でどのような経済効果が出たかではなく、例えば野球なら、どのチームの商品が売れたのか、どの商品が特に売れているのか、なぜその商品が好まれているのか、あるいはどの選手の商品が売れたのかなど、コラボ商品もチェックしておきましょう。その選手やそのチームのコラボ商品以外の商品とはどの程度の売り上げさがあるのかなど、コラボ商品がもたらした経済効果も調べておきたいものです。
特に注目するべきコラボ商品等があった場合、卒論を書くにあたってその担当者などにインタビューできないかどうか調べてみましょう。広報等の中には論文のための調査に協力してくれる人もいますので、注目するべき企業を見つけたら、コンタクトをとってみることが大切です。卒論を書くときには書籍等を調べることが大切ですが、最新の研究を調べるためには書籍だけでは足りません。雑誌やウェブサイトだけではなく、関係者に質問して直接聞いてみることにより、最新の資料を手に入れることができます。
4.ヒット商品の特徴を考える
ただ経済効果を調べて、「これだけの売り上げがありました」だけでは論文にはなりません。実際に、なぜそれが大きな経済効果をもたらすことになったのか、そのような経済効果をもたらした社会的な理由は何なのか、どのコラボ商品が多く売れたのか、なぜその商品が多く売れたのか、今後ヒット商品を出したい企業にとってどのような情報が役立つかなど、詳しく調べていく必要があります。自分なりにどのようなヒット商品が売れたのか、なぜその商品が売れることになったのか、しっかりと仮説を立てて証明していきましょう。ただ経済効果を調べるだけでは資料を見ればわかりますので、卒論にはなりません。卒論は自分なりに仮説を立て、それを証明していくものになりますので、どのような商品が売れたのか、それにはどのような理由があるのか、今後の企業がヒット商品を出したいと思うならどのようなポイントに着目するべきなのか、自分なりに仮説を立てて論じていきましょう。
今後、ヒット商品を出したいと思う読者がその論文を読んだときに「なるほど」と思える論文を書きたいものです。そのためには、数字だけを調べて終わらせるのではなく、なぜそれが経済効果をもたらしたのか、そこまで調査するようにしましょう。