テーマパークはどのような経済効果をもたらしているのかを具体的に知りたい方も多いでしょう。日本には数々のテーマパークがあり、周辺地域にも経済効果をもたらしています。ここではテーマパークによる経済効果の種類と大きさについての情報をまとめました。設置や運営によって何がもたらされるのかを確認していきましょう。
＃テーマパークの設置・運営による2つの経済効果
テーマパークは設置や運営によって大きく分けると2つの経済効果を生み出します。テーマパークの運営によって生み出される直接効果と、設置や運営に付随して発生する間接効果について内容を見ていきましょう。
・テーマパークの運営による直接効果
テーマパークの運営をすると必ず消費行動が起こるので経済効果をもたらします。テーマパークの入場料やアトラクションなどの個別の利用料が中心と思われがちですが、実際にはテーマパーク内のレストランやギフトショップなどの利用に伴う料金も大きな金額になります。また、テーマパークの運営のためには施設の管理やメンテナンス、ゴミの処分などの維持費がかかり、運営するには受付や管理なども含めた人材の雇用が必要です。このようにテーマパークの運営にかかる直接の効果はテーマパークの経済効果の大半を占めています。
・設置や運営による間接効果
テーマパークの経済効果は運営会社や関連会社の売上に直結する直接効果だけではありません。テーマパークが設置されたり、運営されたりすることによって間接的な経済効果が生み出されます。テーマパークが設置されるときには建設会社への経済効果がもたらされます。さらに新規設置に伴う宣伝広告などによって各種メディアにも利益が出るのが一般的です。 また、テーマパークを利用する際には移動や宿泊を伴います。公共交通機関や自家用車、レンタカーなどの利用による消費が起こり、宿泊をした場合にはホテルや旅館などがおこなわれます。テーマパークの外での飲食やお土産の購入などもおこなわれるため、テーマパーク周辺での消費が加速されるでしょう。このような周辺効果は広い視野で見ると大きく、テーマパークと提携して割引券を設置するなどの協業も起こるため、新しい経済価値が生み出されることもあります。
＃テーマパークの経済効果の大きさを変える要素
テーマパークの経済効果の大きさはさまざまな要素によって左右されます。1つのテーマパークあたりの経済効果は直接効果だけで数億円から数千億円に上るのが一般的です。このように幅が広いのは経済効果に影響する要素が多岐にわたっているからです。どのような要素が経済効果を左右するのかを紹介するのでしょうか。
・テーマパークの規模
最も大きな影響を及ぼすのはテーマパークの規模です。大きな規模のテーマパークほど直接効果も間接効果も大きい傾向があります。1日あたりの入場者数に影響があるだけでなく、入場料も規模にほぼ比例するので客単価に違いが出るのが主な理由です。
・ユーザー層
テーマパークのユーザー層によって経済効果が変化します。ユーザー層によって宿泊を伴う旅行をしながらテーマパークを利用することが多いか、テーマパークの利用を目的として日帰りで行く場合が多いかが異なります。また、テーマパークの周辺施設の利用の傾向にも違いがあるため、ユーザー層は間接効果にも大きな影響をもたらす要素です。
・テーマパークの人気と知名度
テーマパークの全体的な人気の動向によって利用者数が大きく変化するため、経済効果にも違いが生じます。コロナの影響によって外出を避ける状況が生まれたり、事故の発生によって人気が低迷したりするとテーマパークの経済効果は大幅に下がります。また、テーマパークの知名度の影響力も大きく、世界的に有名なブランドのテーマパークの方が経済効果が大きい傾向があります。
・立地と環境
テーマパークの立地と環境によって経済効果に違いが生じます。人口が多くて消費活動が活発な都会から近い立地の場合にはテーマパークの利用だけを目的としたユーザーが多くなるのが一般的です。そのため、直接効果の比重が大きくなり、宿泊や周辺施設の利用による間接効果が少なくなります。しかし、地方に設置されたテーマパークの場合には旅行の一環として利用されることが多くなり、ホテルの利用やお土産店などの利用が促進されます。間接効果が大きくなって、全体的な消費が増える傾向があるのが特徴です。
＃まとめ
テーマパークの経済効果は数億円から一千億円になるほどの大きなものです。テーマパークの売上に直結する直接効果と、テーマパークの設置や運営に伴う間接効果があり、規模やユーザー層、人気や立地などによって大きな違いが生じる性質があります。地方では周辺地域での消費を促進する効果が大きいため、テーマパークの設置による経済効果を期待する施策が地域経済の活発化の目的で推進されることも多くなっています。
