経済効果

コミケの経済効果はどれくらいなのか?

世界最大級の規模を誇る同人誌即売会「コミックマーケット」、通称「コミケ」。

なんとなくその名を聞いたことがあるものの、そもそもコミケが何をしているイベントなのか、またどれくらいの規模でどれくらいの経済効果をもたらすイベントなのかを知っているという人は、意外と少ないのではないでしょうか。

そこでここでは、日本が世界に誇るイベントである「コミケ」がそもそもどんなイベントなのか、またその規模や日本にもたらしている経済効果を紹介します。

前述した通り、コミックマーケット、通称コミケを一言で表すなら、同人誌即売会と言えます。

その手のジャンルに興味がない人からするとそもそも何かわからない「同人誌」というのは、リトルコミックと呼ばれるマンガの種類の一種です。

内容は、パロディマンガと呼ばれるもので、原作漫画の内容を勝手に変更してボーイズラブ、いわゆるBL作品にするなどの趣味マンガが同人誌です。

そして、コミックマーケットに来場する人の大半は、この同人誌を買うことを目的に世界各国からやってきます。

そんなコミケの歴史は意外に古いです。

最初に開催されたのは1975年のことでした。ただ、この1975年の初回開催時のコミケの来場者数は700名ほどであったと言われています。ちょっとしたクラブで開催されるイベントレベルのスケールしかありませんでした。

ただ、その小さなイベントに過ぎなかったコミケの存在はその後大きく変化していきます。

初期のコミケは小規模イベントではあったものの、同人誌というマンガジャンルが注目を浴びるきっかけを作り出したことは間違いありませんでした。

インターネットもそれほど普及していなかったその時代に本イベントは、同人誌の作り手である作成者と、それが欲しい買い手の架け橋として多くのオタクの心を徐々にではあるものの掴んでいきました。

実際に、1975年たった700名しかいなかった来場者は、1981年夏に開催されたコミックマーケット18でとうとう1万人を越え、1989年のコミックマーケット36では10万人の大台を越えています。

そして、来場者数の増加とともに、コミケがもたらす経済効果も年々増しています。

たとえば、2015年夏に3日間開催されたコミックマーケット88には総勢55万人が来場。その際の経済効果を見積もった結果の数字は「180億円」となっています。

この数字は、コロナ禍以降誰もが日々お世話になっている「ハンドソープ市場」と同じような数字となっています。たった数日のイベントでありながら、もはやひとつの市場として成立するほどその額は大きいものになっています。

また、その後2019年に初の4日間開催となったコミックマーケット96についても、77万人が来場し、その経済効果は150億円ほどであったという統計結果が出ています。その後については、コロナウイルスの存在により、開催中止が続きました。

また、2021年冬よりその開催が再開されたものの、人数制限などを設ける形で、本来とは違う形でしか開催ができていません。ゆえに、コミケがもたらす経済効果は全盛期と比べると、やや低迷していると言わざるを得ません。

特に、コミケは世界各国から外国人が集まるイベントとしても人気があり、その点についても現在は以前のような活気が特にない状態です。増えていた外国人コスプレイヤーの姿を以前のように目にできないのが現状です。

また、今どきとはいえない古典的な「即売」もコミケの経済効果を大きなものにするキーワードとなっています。

売り手と買い手がコミュニケーションを取りながら、その場でしか買えない商品を手に入れることができる付加価値も、今は少し揺らいでいます。

ただ、コミケがもたらす経済効果は、オタクの市場規模が年間5,700億円と言われているその額からしても相当な影響力を持っているイベントです。

そして、以前のスタイルで開催されれば、ファンは同じように来場し、多くのお金をコミケに落とすと考えるのが自然です。

今後これまでどおりのスタイルでの開催となれば、我慢していた数年分だけ、その経済効果はより大きなものになることが期待できるため、この先の動向が注目されています。

ちなみにコミケが例年開催される有明の東京ビッグサイドの会場の使用にかかる額は1億3,000万円ほどであるため、本イベントがもたらす経済効果の大きさは非常に大きいものとなっています。この点からも、その開催はより大規模なものに変化していくことも期待されています。

このように同人誌即売会「コミックマーケット」、通称「コミケ」は、年々来場が増すとともに経済効果も増しています。

2010年代にはたった数日の開催で、150から180億円の経済効果をもたらしたと概算されています。

この先も日本経済にとってなくてはならない世界に誇る文化として、まずますの発展が見込まれるイベントと言えます。

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