経済効果

オタクの経済効果はどれくらいあるのか?

オタクの経済効果についてわかりやすい数字を出しているのが矢野経済研究所です。

コンサートやイベントのための旅費や宿泊費、レコード会社やグッズ制作会社など広範囲に及ぶオタクの経済効果の研究・分析を行っていて、2020年12月発表では経済効果は6000億円以上に及ぶという調査結果を発表しています。

これは2019年度の数字を下回る結果になっていますが、コロナ禍によるイベントの中止など相次いだこともあり、潜在的な市場はもっと大きなものと感がられているのです。

また、オタクと一言で言っても様々なジャンルがあり、どの範囲までをオタクとするかでも規模は大きく変わってきます。

例えばアイドルなども含めてオタクに含んでしまうと、ジャニーズや、AKBグループなども加わり、規模が一気に膨れ上がることになるからです。

オタクの経済効果を調べる場合は漫画やアニメなどの二次元産業、アプリなどの売り上げ、イベントなどのどの範囲までを取り上げるかで数字が大きく変わるということになります。

オタクのイメージ、範囲は人それぞれ違いがあります。

事前にしっかりと基準を確認する必要があり、その範囲によって金額が大きく変わってしまっているのです。

一方で、前述の矢野経済研究所のように、経済効果を調査し、政策やイベントに役立てるという試みも盛んにおこなわれています。

研究論文なども数多く発表されているため、それぞれの論文の数字の根拠、使われている統計手法などをチェックしてみるのもおすすめです。

具体的な数字だけでなく、その数字を構成する要素を分析することも大切で、同じ内容も分析手法やもとになるデータで大きく異なることもあり得ます。

実際にどの程度経済効果があったかを正確に確認する手段は存在しません。確認をしようとすればプライバシーの問題などにぶつかることになるからです。

遠方のコンサートやイベントに行く場合に、高速バスを使うのか、飛行機を使うのか、新幹線を使うのかでも旅費が変わります。

宿泊する場合はホテルや旅館の質だけでなく部屋のグレードなどもかかわってきます。

バスやタクシーなどの交通機関を使った場合はどうなるか、食事はどんなものをとったかなど、一人一人のデータを追うことは不可能です。

そのため、どの地方からどの程度の人が来たのか、どの程度の範囲まで範囲が及ぶかを試算した上で、平均値や係数をかけて分析することになります。

統計手法、分析手法によって長所短所があり、数字が大きく出やすい、ぶれが生じやすいなどと言った問題も生じますが、ある程度の誤差を踏まえて受け入れる意識も大切です。

そもそも本当に誤差があるのかも確かめる術がないため、あくまで一般的な考え方、平均値や分析モデルを使った経済効果しか計算ができないのです。

また、調査や論文の差異から範囲を想定する方法もあります。

例えば、同じオタクの経済効果を取り上げた研究の、最大値、最小値を並べれば多面的な分析が可能になります。最小は〇〇、最大〇〇の範囲の経済効果と言ったまとめ方もできるからです。

データの不足を補うために他の論文や、研究から情報を引用する手法は良く用いられます。

それぞれの研究情報に補足を入れる、深掘りすることでさらに精度をあげる試みも可能です。

特にどんな場所でオタクの経済効果について言及するかは重要で、論文であれば精度を上げる、多彩なデータを用意するなど、工夫が必須になります。

一般向人けの資料を作るのであれば、ある程度の目安になるデータだけでも問題はないということです。

また、自治体やイベント会社に提出する場合は内容自体に工夫をするなど、情報を得た側がどんな印象を受けるかも含めてコントロールする必要があります。

ただデータを示しただけで、中身が分からなければ資料として役に立てることはできません。

他人にプレゼンをする場合や、発表をする場合は場や状況に応じた加工が必要になるのです。

ただ知識として経済効果を知りたい場合は、矢野経済研究所の過去調査も含むデータを調べるだけで済みます。

経済効果の大きさから様々なメディアに取り上げられ、引用されることも珍しくありません。

別な見方をすれば、範囲を広げればオタクの経済効果によって、情報経済がまわり、広告収入が入るなど派生範囲がどんどん広がる可能性まであります。

ある程度の部分で区切る、国内の経済効果だけを見る、海外も含めた経済効果を計算するなど、区切りをつける意識も重要です。

範囲を限らないと、オタクの経済効果を研究する人の人件費まで計算しなければならない可能性も出てきます。

研究機関、研究者の意図や、基準があることを考えて範囲を見る、確認することは大切で、オタクの経済効果を正確に把握するポイントになっているのです。

基準と範囲が分からないと数字に振り回される可能性があるため、調査を行う場合も十分に気を配る必要があります。

また、すでに大金は指標とされる数字を出している研究機関があるため、先行するデータを確認することも大切です。

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