卒論で文研研究ってどのようにやったらいいの?
1. 文献研究の目的
1.1 先行研究の把握
文献研究の主な目的は、既存の研究を把握することです。これにより、自分の研究がどのような文脈に位置づけられるかを理解することができます。
1.2 研究のギャップの特定
文献研究を通じて、既存の研究で解決されていない問題や、新たに調査すべき課題を特定します。これにより、自分の研究の意義や独自性を明確にすることができます。
1.3 理論的枠組みの構築
文献研究を基に、研究の理論的枠組みを構築します。既存の理論や概念を活用することで、研究の基盤を強固にします。
2. 文献研究の手順
2.1 研究テーマの明確化
まず、研究テーマを明確にします。テーマが具体的であればあるほど、文献研究が効率的に進みます。
例:日本の都市部における環境保護活動の効果
2.2 キーワードの設定
研究テーマに関連するキーワードを設定します。これにより、効率的に文献を検索することができます。
例:環境保護、市民活動、都市部、日本、効果
2.3 文献の検索
設定したキーワードを用いて、学術データベースや図書館のカタログで文献を検索します。以下のようなデータベースを利用すると良いでしょう。
Google Scholar: 学術論文を広範に検索できる無料のデータベース
JSTOR: 人文社会科学分野の学術論文を収録
PubMed: 医学・生物学分野の論文を検索可能
大学図書館のデータベース: 各大学が提供する学術論文のデータベース
2.4 文献の選定
検索結果から、研究に関連する重要な文献を選定します。タイトルやアブストラクトを読んで、関連性が高いものをピックアップします。
2.5 文献の精読
選定した文献を精読し、主要な内容や結論を把握します。この段階で、重要な部分にマーカーを引くなど、情報を整理することが大切です。
2.6 文献の整理と分類
精読した文献をテーマごとに整理・分類します。これにより、関連する文献同士の関係や、研究の流れを理解しやすくなります。
2.7 文献レビューの執筆
文献レビューを執筆する際には、以下のポイントを押さえておきましょう。
2.7.1 序論
文献レビューの目的と重要性を説明します。研究テーマに関連する先行研究の概要を紹介し、自分の研究がどのように位置づけられるかを示します。
2.7.2 本論
選定した文献をテーマごとにまとめ、各文献の主要な内容や結論を詳述します。この際、文献同士の比較や対比を行い、研究の流れやギャップを明確にします。
2.7.3 結論
文献レビューのまとめとして、研究のギャップや自分の研究の意義を強調します。また、今後の研究課題や方向性についても言及します。
3. 文献研究の具体例
3.1 研究テーマの例
例:日本の都市部における環境保護活動の効果
3.2 キーワードの設定
環境保護
市民活動
都市部
日本
効果
3.3 文献の検索と選定
例:検索結果から選定した文献
Smith, J. (2020). "The Impact of Environmental Movements in Urban Areas". Journal of Environmental Studies.
Tanaka, H. (2018). "Citizen Participation in Urban Environmental Protection". Environmental Research Journal.
Lee, S. (2019). "Comparative Study of Urban Environmental Policies in Japan and Korea". Asia Environmental Review.
3.4 文献の精読と整理
例:精読した文献の要点
Smith (2020): 都市部における環境運動の影響を調査。市民の参加が環境改善に寄与することを示す。
Tanaka (2018): 都市部での市民参加型環境保護活動の事例研究。成功要因と課題を分析。
Lee (2019): 日本と韓国の都市環境政策を比較。政策の違いが市民活動に与える影響を検討。
3.5 文献レビューの執筆例
序論
本研究の目的は、日本の都市部における環境保護活動の効果を明らかにすることである。これまでの先行研究では、市民参加型の環境保護活動が環境改善に寄与することが示されているが、その具体的な効果や成功要因については十分に解明されていない。本研究では、これらのギャップを埋めることを目指す。
本論
Smith (2020)は、都市部における環境運動が市民の参加を通じて環境改善に寄与することを示している。特に、市民の意識啓発や政策提言の重要性を強調している。一方、Tanaka (2018)は、日本の都市部における具体的な市民参加型環境保護活動の事例を分析し、成功要因として、地域コミュニティの協力や行政の支援を挙げている。さらに、Lee (2019)は、日本と韓国の都市環境政策を比較し、政策の違いが市民活動に与える影響を検討している。本研究では、これらの先行研究を基に、日本の都市部における環境保護活動の具体的な効果を詳細に分析する。
結論
文献レビューの結果、市民参加型の環境保護活動が都市部の環境改善に寄与することが明らかになった。しかし、成功要因や課題については、さらなる研究が必要である。本研究は、具体的な事例を通じて、これらの要因を明らかにし、今後の環境保護活動の参考となる知見を提供することを目指す。
4. 文献研究のヒントと注意点
4.1 最新の文献を確認する
文献研究では、最新の研究を確認することが重要です。特に進展の早い分野では、最新の知見が研究の方向性を大きく左右します。
4.2 多様な視点を取り入れる
一つの視点だけでなく、多様な視点からの文献を取り入れることで、研究の深みと幅が増します。異なる視点や方法論を比較することで、より包括的な理解が得られます。
4.3 正確な引用と出典の明示
引用する際には、正確な引用と出典の明示が重要です。学術的な信頼性を保つためにも、適切な引用形式を守りましょう。
4.4 批判的思考を持つ
文献を読む際には、常に批判的な視点を持つことが重要です。研究の限界や弱点を見極め、自分の研究にどのように応用できるかを考えましょう。
なお、以下のページで卒論制作に役に立つ論文をダウンロードすることができます。
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